■見過ごした刃の爪痕(仮)

君の傷口が僕には近過ぎて
傷付けた凶器は遠過ぎて
僕にはその生々しい傷の
癒し方が分からない

怪我の種類はなんだろう
深過ぎて何も見えない
凶器の種類はなんだろう
可能性が多すぎて特定出来ない

不甲斐ない僕の能力が
視力の良さ 腕の長さ
何もかもがまだ足りない
君を見るにはこんなんじゃ
全てが足りないまま

抱き締めただけで
塞がる傷は少な過ぎて
流れる水が冷たい限り
鋭く突き刺す

数えたくもない
毒々しい衝動の数
土の温もりに
埋めてしまえるのならば
この命を繋ぐ赤の
僅かな温度さえ
君の赤に注ぎ込みたいと願う


僕のこれっぽっちの
偽善なんかじゃ君なんか
救えもしない

共鳴して脈打つ
この赤だけじゃ、












。。あとがき。。


人を生きるって難しい。


ふとした一言が
人を追い詰める