悪夢を見た。
何度も何度も。同じような夢ばかり、繰り返し、繰り返し何度も。私がその夢を見る度に彼は、涙と共に暗い影を落としていく。彼は一体私にこれ以上の何を求めているのだろう。これでもまだ、涙も痛みも苦しみも、足りないというのだろうか。
それなら彼は相当なドSだ。しかし、そんな話はあまり聴かなかったはずだ。少なくとも私は初耳である。
それなのに、何故、どうして。
目覚める度に、私の中で彼が増幅されてゆく。どれだけ愛しく想えば、彼は微笑み返してくれるのだろう。きっと、もう、二度と、、、
今日も私は眠り、覚醒する。
どちらが夢でどちらが現実か、なんて、愚問である。
はっきりとした感覚が感じられる方が現実。それで良い。それ以外のものなんていらない。二度と触れられないくらいなら、激しい痛みが伴う過去の中で…
どれだけしがみ付こうとも、時間が経てば目覚めてしまう。かつて、健康的な習慣がこんなにも忌まわしいものになるだなんて夢にも思わなかった。
いっそ、夢であれば、良かった。
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