何度も何度も。同じような夢ばかり、繰り返し、繰り返し何度も。私がその夢を見る度に彼は、涙と共に暗い影を落としていく。彼は一体私にこれ以上の何を求めているのだろう。これでもまだ、涙も痛みも苦しみも、足りないというのだろうか。
彼はあの日、愛するものを守るために、果てた。
私は、差し出す手すら、求められなかったのに。
彼は、愛するものを守って、遠くへいった。
私が、求めるものすら、知らないままで。
そんなの
無責任だと、思う。
唐突に居なくなるなんて卑怯だ。
私をそんなに殺したいのだろうか。
本音を隠した反動を、ぶつける事も出来なかった。彼ですら気づかなかった私の気持ちを、伝える事も出来ないままだったのに。
私はどうすればいいのだろう?
私はどうするべきなのだろう?
居なくなった悲しみ。穴が開いて薄れた痛み。それらに従順に泣き叫びたい気持ちでいっぱいなのに、それすらも許してくれないこの瞼はきっと死にたいのだろう。
この瞼を震わすのは、彼だけでいい。
この喉を震わすのも、彼だけでいい。
それなのに、愛されたものの涙を見て、息が止まりそうになる。だって、あの人は、彼さえ居れば、幸せでいられたはずの人。一番苦しいのは恐らく、あの人の方なのです。そんな事は大昔に分かっている事なのです。
それでも、せめて、私を跳ね除けてくれたなら、嫌いになれていたのかもしれないのに。そうなればこの中途半端な後悔や涙も存在しなかったかもしれないのに。
ごめんなさい。
本当は全部知っている。
彼が敢えて私の想いに気づかないフリをしていたことも、あの人が私にすら気を使ってくれていることも、全部。それに気づいた上で一番甘えているのは、私の方なんだ。
ありがとう。
さようなら。
もう別れの時間が来たみたいです。
今日の夢は紛れもなく、果てた後の本物の彼だった。
想いを伝えると、彼は困ったような顔で笑った。
うん。これでいい。
目が覚めると、そこには朝焼けが広がっていた。どうやらいつも以上に早起きをしてしまったらしい。もそもそと立ち上がって振り返ってみると、枕にはいつも以上に大量の水が零れていた。良い機会だ。今日は新しい枕でも買いに行こう。箪笥の中から、インスピレーションだけで服を選び出して、いつもと違うコーディネートが出来た。少しだけ清清しい気分のまま、仲間と居たあの頃から慣れ親しんでいた想い出の枕を捨てた。
。。あとがき。。
あれれれれ?
最初は、夢オチor夢で漸く幸せorシリアスにしようと思って
書き始めたはずだったんだが…あれ??
これじゃただの悲恋じゃん。
情景描写皆無だったから、最後だけちょろっと書いたよ。
なんだこの長いとも短いともつかないような
良く分からん文は。
途中まで某michaelをイメージしてましたが
まあそれは気にしない方向で。
PR