■確かな幻(仮)

寂れている
…訳ではない
きちんと、
こうやって
積み重なっている

どうやっても動かないけれど
どうしようもなく
爛れているけれど
どうしても
見せてはあげられないけれど

[つづき]

■破戒衝動(仮)

壊れてしまえば良いんだよ
自信(自身)を愛護する自身(自信)も
代わり映えしない
一般的な《個性への願望》も

僕たちを(君達を)
甘やかす
ひとつの《種》でしか無い

歩むことも
見据えることも
敬うことも
戒めることも

出来ないよ

[つづき]

■動揺(仮)

ゆらぐらり ゆるり
斜めに揺れる ゆるる
滑り落ちる寸前の寸前
立て直すように努めるが
ふわらりる るるる-
不安定に ゆらら
重心に 視点に 思考
定まらないままに
ふら ぶわり

世にも珍しく
日常の光景

甘やかす体
戒める　奥

[つづき]

■救済の為(仮)

ぐやり　歪んで
原型が留められなくなった時に
救いの手は
差し伸べられるか(？)

彼か 彼女か
仏か 神か
愛するものは
愛してくれない

光が欲しい
砕くことなく
伸ばした手の平
ゆっくりと包み込んで

焦ったら、そこで仕舞いだ

■懐古(仮)

奏でられ始めたアコーディオン
あの音色に呼ばれたの

“ぬくもりを覚えなさい”と。
“歩み続けなさい”と。

笑みを絶やさぬ貴方に
私は救われたの
奏でられ始めた音色が
あの笑みを蘇らせたの

『ありがとう』
笑みだけでも
蘇ってくれたから構わない

『大丈夫』
私は、まだ生きているよ。