■にげる まがる しずむ(仮)

戸惑うほどに
曲がりきった私の骨
もう動けないくらい
真中に負担をかけ続けた私

小さな衝撃
全てが兵器に見える程
膨張する黒、々、
もう何も見たくない

覚醒されたままの
この頑固な瞼を
塞ぎたかった
塞ぎたいのに
張り詰めた
覆ってくれた両手は、誰？

幕を降ろして下さい
見世物じゃないわ
見たくもないわ
何もかも黒に見えていたんだ
独りの闇は
あんなにも優しいのに

■昇る、朝(仮)

鳥の鳴き声に
私の意識は覚醒する
居場所を探す本能が
朝焼けに飛び立つ

沈む 沈むように 深く
パステルカラーに包まれて、
ふわり 浮上する
天とも地ともつかない
望む世界はここにあった

蔑む昨夜 真昼の陽
拒絶は私を導くの
とてつもなく居心地の良い、
恐ろしさ

私はまだ
その先を知らなかった

[つづき]

■日だまりの記憶ごと、(仮)

あなたを偽らせたものが、私に触れて、
酷く、染みた

どうしてそんなにも
鋭利なもので
遠ざけようとするのだろう

あなたが周りの
“あなた”につける
些細な傷は、
最終的に、
あなたに対して
向けられるだけなのに

あなたを傷付けるだけなのに

涙を流さないことも
きっと、
向かって来た傷が
染みてしまわないように

どんなあなたも
“あなた”として守る
最後の“あなた”が
ギリギリの所で
堪えているからなんだよ

もう、
楽をさせてあげても
良いでしょう？

全身、傷だらけ
そんな事をしてまで
ここから消えたがるのはよして

[つづき]

■溶かし出された中(仮)

[続々々、ノートからうｐ祭！
ラストは優しめに…ね。]

―――

涙が出たんだ
すれ違った
あの日の僕と隣に居た
誰かの笑顔に

取り繕っていた
平静が剥がれ落ちて
悲鳴を上げていた
変わらない僕が
見えてきた

ありがとう
苦しみながらも
まだここに生きていた
背伸びして
つけられなくなった踵を
騙し 励まし
生き長らえた
素直な自分

[つづき]

■fly(仮)

[続々、ノートからうｐ祭！]

―――

涙を流すのは後にして
一緒に行けない事なんて
初めから分かっていたわ
罪悪感に胸を突かれ
苦しむ自分を大切にして
引き返すのは、貴方の自由

足枷は もう
全て外れたから

今 地の果て
空の果て 生命の果てへ
飛び立つことが出来るの
ヒビが入りきって
今にも崩れそうな私
直前まで寄り添って
ギリギリで裏切る
貴方の涙は私の翼になるから

せめて、私を見送った後に、

泣きながらさよならして。

[つづき]