■無知。(仮)

どくどくと波打つそれは
わたしを不安へ連れ戻す
「あっちへ行って」
《あっちってどっち？》
…押し問答は
繰り返すばかりでキリがない

ひたすらに
ただひたすらに
思考を闇へと葬ろうと
がむしゃらに駆けてみても
定まらぬ目標は、迷わせるばかり
・・・そして振り出しへ戻る。

「いつの日か、
　小さな小船が、
　私を迎えにくるんだよ」
なんて
働かない知能に
言い聞かせてみたりして

脳内だけは
逃避に逃避を重ねども
どうしようもなく
どうしようもない毎日だ


ただあからさまに
怠惰　怠惰を塗り合わせ
目を覆いたくなるような色の出来上がり。

そうやって
《どうやって…？》
とりあえずそんなふうに

意識せず、ただ無意識に
ゆったりまったり
だら　っと　落ちていく




ぜんぶ ぜんぶが
黒くって
ぜんぶ　ぜーんぶ
白かった

心も何もない場所に
踏み出すことを躊躇った

そうする内にも
たくさんの
失ったものを敵にまわした。





















● ●●・　　○

知らないもの
聞かないもの
学べなかったもの

教えてもらうことが怖かったから
逃げてたら
みんなにも逃げられてた。





…ぜんぶ
見ないふりをした