■個性(仮)

激しく 痛々しい
じんわり 苦々しい
怖々、
そんなの
恐るるに足らぬ程
鮮烈に活力で
特異な“個”が欲しい

求めず
沸き上がり
滲み出す

第一希望は其処、
だがしかし
求める私は
未だ其処には辿りつかない

■霞(仮)

ほわり　浮かび上がるのは
くるり　変わる僕たちの
笑う姿を焼き付けて
痛い、よ
抱きしめた君の腕
明日にはきっと
夢にも白いもやが掛かり
うっかりぶつかって
うっかり踏んじゃって
モノクロに埋まる、よね

霞がかった世界は好き
くっきり浮かぶ朝日は嫌い
鎮まった夜の
ぼんやりした背中
ほんとうに欲しかったのは
それ、だ、なんて

「忘れちゃった。」

[つづき]

■くぐもる、遅延 奇、なる、隔離(仮)

私は、極悪非道な、
人間では、無い、
ん、です、けど、
ただ、どこ、かしこ、
から、からと
乾いて、干上がって、
きゅる、り
きゅ、る、きゅる、と
鈍くも愛おしく、
ネジが滑り悪く、
ぐやり、と、
歪む頃には、
あれも、これも、もう、
整い、終えて
しまって、いるのです

[つづき]

■形容する術は知らない(仮)

励ましの言葉なんて
何も出て来はしない
渦巻くものの底の底
突き刺した手は
何も掴めないまま
優しさの破片だけ
見せてあげられたら
ちいさな微笑みを
僕に向けてくれる？
ならばこの渦を止めて
こじ開けてしまって
痛い程幸せを願う
纏まりなく散らばる
無数の破片に
出会えるはずだから

さあ。

■季節の変わる日(仮)

涙に暮れる、
ことはない夜明け
まだ目が覚めることはない
彩りを持つ、
夢から出せない
僕のあたたかな身体

静まる室内
空気を感じない
震える屋外
空気を入れ替えなきゃ

窓越し　ささやか
芽吹くいのち
どこかで何かが
僕を待ってる
行かなきゃ　行かなくちゃ
きっと僕は
このまま腐れて
ミイラになってしまう

[つづき]